2006年12月30日 長崎市野母半島東岸(メーターオーバーのマルスズキ)

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エロイムエッサイム

エロイムエッサイム

我は求め訴えたり

神様がいないから悪魔に願ってみた

(ラノベ風)

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回想・モノローグ

今から15年前。

何かに憑かれたように無謀な釣行を繰り返していた時期があった。

仕事前は樺島に。

仕事が終わってからは西海橋に。

自宅から西海橋まで70kmもの距離があった。

子供はまだ幼かった。

他人にまだ赤子だった頃の長女の話をするとき口をついて出る
うちの子は夜泣きが酷かった「らしい」という言葉から、当時の私の育児に対する参加具合が窺える。

当然、妻からの反感を買っていたが、聞く耳を持たなかった。

物事に優先順位をつける時、必ず一番に自分を持ってくるのが私という人間だった。

見かねたように母が
「釣りは子供が大きくなってからでもいけるやろ?」

そう口を出してきたが
何もわかっていないと撥ね付けた。

俺は今釣りたいんだ。

オッサンになってからでは遅い。

二十代のうちに成し遂げたいんだ。

例え全てを失う事になったとしても。

以下「ルアー釣り師のBLOG」で2007年1月7日に公開した記事、原文ママです。

2006年12月30日 長崎市野母半島東岸(メーターオーバーのマルスズキ)

2006年も 残すところ一日とチョイ。

同時に年間スズキ100本達成までも残りチョイ。

早い話が、なにもかもがチョチョイのチョチョチョイヒャッホー!

そんな感じのこの日。

自宅で飯&風呂を済ませたあと、いつものように外出。

え?

何しに行くのかって?

そんなの今さら説明するまでもないでしょ!?

つり。

釣りに行くのよ。
(専門用語でフィッスィ~ング)

まったく、わかりきったこと聞かんといてくんさ~いヒャホーゥ。

「こんオトコは、いっつも釣りばっかいして他にする事なかとや!?」

そう思われる方もいるかもしれませんが
ないのよ。

ほんとに。


んで、PM10:00 ポイント到着。

予定では釣果の堅い (と思われる) ホーム・西海橋へと向かうつもりだったが、気付けば何故かいつもの祭り会場で竿を出していた。

まあ、一時間以上かけてわざわざ市外まで行かなくとも普通に近場で釣れるしなっ。

んで、リーダーの先にフィードシャローを結び、釣り開始。

活性の高い個体が入っていれば数投で結果は出るはずだ。


が、30分ほどやって、数回のライズがあったもののルアーには反応ナシ…。

思えば今秋、祭りに初参加した日から既に一月とチョイ。

気が付けば、季節は冬。

さすがに祭りのも消えかけているようだ…。

てなワケで、仕方なくもう一つの祭り会場へ移動することに。


が、こちらは小魚の気配すらなく完全に祭り終了。

最早、残り火らない様子。

なので更に場所移動。


-中略-


それから目ぼしい釣り場を転々としながら小魚探し。

その道中、少し気になったポイントがあったのでチョイ投げしてみることに。

ド干潮の釣り場に降り、投げ歩くこと約10分。

時計に目をやると、既に0時を回っている。

「2006年も 残り24時間を切ったか…」

「丸一年、本当に釣りしかしなかったな」

そんな事を考えつつ、月明かりが照らす浜を釣り歩く。

風もなく、辺りは静寂そのもの。

鏡のような水面からは白い湯気が立ち上り、なんとも幻想的なアレをアレアレ~。

あ~れ~。

殿~、おやめくださ~い、あ~れ~。

「これはね、気温よりも水温の方が高い時に起こる現象なんだよ」

などと独り言を呟きつつ、更に釣り歩く。

見上げると、満天の星空。

そして流れ星。

釣り師、それも田舎モンの釣り師で良かった。

そう思える瞬間だ。

そして

オレ様のお目目
この日、四つ目の流れ星を捉えた時

ドゥン!

そして

バッシャバシャバシャ~!!

「こら良か型バイ!」

それでも割りとすんなり寄ってきたのは、かなりの良型マルスズキ。

流石に手前にきてからはかなりの暴れん坊っぷりを見せてくれたが、最後は無事にズリ揚げ成功。

揚がったのは目測80cmチョイのマルスズキ。

「ようやく今年3本目の80UPばい」

一年を締め括るにふさわしい一匹。

余は満足じゃ。

リーダーを引っ張り、魚を波打ち際から離そうとした、その時。

スポン!

ルアーが外れると同時にサカナがビッタンビッタン大暴れ!

「YABAI!」

波打ち際からサカナまでの距離、僅か50cm。

魚体を押さえようと慌てて両手を伸ばすも

数秒の差で間に合わず、オサカナは斜面を滑り落ち水の中へ。

「待てええい!!」

入水し、足で魚の行く手を遮ろうと試みるも

時すでに遅し。

そこにサカナの姿はなかった…。

オレ様は思った。

「終わった……」

思い返せば2006年はこういった形でのバラシがあまりに多かった。

ランディング寸前のバラシだけならともかく
一度、サカナを陸に上げてからのバラシ。

20歳以上の成人男性 (釣り師) を対象に
「もっとも悔しいバラシ方」 アンケート・2006
なるものを実施すれば、おそらく一位になるであろうバラシ方。

まったく…。

「ツメが甘やつ」
とはオレ様の事だぜヒャッホーィ!


んでその後、一分ほど ボケ~ッとしてからキャスト再開。

良型をバラシたのはショックだが落ち込んでいても始まらない。

「キープキャスティング」

世界の田辺もそう言ってるしな。


んで、キャスト再開から数投目。

一匹目がヒットしたカケアガリ付近を再度トレースしていると

ドゥン!

「フン!」

反射的にアワセを入れると、しっかりとした重量感。

型も悪くはなさそうだ。

んで、いつものようにゴリ巻きで寄せに入るも、ドラグが滑りハンドルが空を切る。

「あら~、一匹目ん時はあんまい出らんやったとけどねえ……」

何かが違う。

そう感じながらもゆっくりと寄せてくる。

そして、約10m先まで寄せたところで魚体が見えた。

「軽く80はあるな」

気合を入れ、更に慎重なやり取りを続けるも、ここからが粘る粘る。

もうチョイでランディング。

魚体を掴めず走られ。

もうチョイでランディング。

魚体を掴めず走られ。

うーむ。

夜釣りをしていると、やっぱりライトが欲しくなるな。

んで、そんなこんなを繰り返すこと数回。

ガスグリップで掴むことを諦め、一匹目同様、浜辺へズリ揚げる事に。

が、これまた何度も失敗を繰り返し、5~6回目の挑戦でようやくズリ揚げる事に成功。
(ようバレんやったもんです.笑)

そしてすぐにリーダーを掴み
波打ち際から遠い位置へと引っ張るも、重すぎて動かない!

先ほどのバラシの例もあるので
それ以上引っ張る事をやめ、タイミングを見計らいガスグリップで下顎を……掴みたいんだけど、暗くて見えない!(絶望)

だけど、そこは持って生まれた天性のアレで乗り切り、下あごをガッチリ。

んで、波打ち際から離れた場所に魚を置いて、一息。

「ふいー、疲れた」

そして、改めて魚体を確認。

「………。」

いちめえとる

「なんかデカない?」

いやいや、もちろんファイト中からデカイというのはわかっていた。

が、あくまでその「デカイ」は80cm後半くらいを指すもので…。

まさかここまでデカイとは思いもよらなかったワケで…。

だって
目の前に
横たわる
魚体は
明らかに
90cmを
超えているんだもん!

ィヤッホーィ!


一体、何センチあるんだ?

自己記録を更新するサイズである事は間違いない。

期待にアレを膨らませながらメジャーを当てる……。

そして、オレ様の時は止まったんだ。

「ある。」

「いちめえとる、ある。」

いちめえとる
1m

マルスズキ、100cm。

超コマかく測るなら100.5cm(笑)

これまでの自己記録

90cm

90cmを大幅に更新!

こんなメデタイことないぜっ!

ちなみに重さは

7.7kg

7.7kg。

重っ……。

記念のセルフ撮影。

いちめえとる

オレ様、本格的にスズキ釣りを始めて5年近くになるがメーターオーバーが釣れたのは今回が初めて。

超ラッキー!!

次なる目標は110cm&10kgオーバーじゃ!

P.S サカナは後から合流したY田君兄弟の兄様の方に引き取っていただきました。


も一つP.S

その後、更に二時間ほど粘りましたがアタリなくAM3:30、納竿しました。

タックル

ロッド:ハートランドZ カワスペシャル

リール:アクシスバージョン2 A-RB

ライン:100均ライン5号 + フロロ12号

ルアー:フィードシャロー128


潮汐情報
満潮干潮
時刻潮位時刻潮位
6:112470:34134
19:2425812:4751

そして現在

未熟で愚かだった自分を恥じ
一日一万回!反省の正拳突きを日課として過ごしております。

幸いにも家庭崩壊する事なく今日に至りますが、月のお小遣いゼロというペナルティを課せられ
神の島に釣りに行きたいから、バイクで女神大橋を渡るお金が欲しい
そうお願いしたところ、10円玉一枚を渡されるという

行きは渡れるけど、帰りの橋代ないじゃん!

そんな悲しい出来事があったりなかったり……。

どうしようもない人間の私ですが、せめて皆さんの反面教師にでもなれたなら、この記事を読んでくれたあなたが、少しでも家族・友人を大切にしようという気持ちになってくれたなら超ラッキー&ハッピー。

魚釣りは楽しい遊びですが、遊びは遊び。

大切な人達と天秤にかけたりするものではないですからね!

最後に、私が好きなスピッツの歌詞を載せて終わります。

「幸せは途切れながらも 続くのです」

  • 作詞作曲:草野正宗
  • 1999年発売・アルバム花鳥風月
  • 収録曲・スピカからの引用

ご声援ありがとうございました!

長満先生の次回作にご期待ください!!

(2021年7月02日更新)